親の死に目にあおう
うおおおお! タイトルがネガティブ!
というわけで、今回は親の死に目にあおうです。ハイ、びっくりー!(びっくりしましたか?)
今日の僕のメインコンテンツは説得でした。
中々世知辛い世の中です。
よくわからないことを書きましたが、今日の記事は親の死に目の話です。
お盆ですし! 先祖が帰ってくるぞ!(茄子を操りながら)
40歳を過ぎるとですね、親ってやっぱり弱っているんですよね。
同年代の人ならわかると思うんですが、親のしゃべり方がお年寄りになるんですよ。
お父さん・お母さんからおじいちゃん・おばあちゃんへのマイナーチェンジです。孫の有無は関係なし。ノンストップ老化です。
様々な病気や怪我なんかも起こります。
さっそくですが、僕の経験した流れをご説明するでヤンス!
1.ご連絡をいただきます
僕の親はステージ4の大腸がんだったんですよね。(この病気の経緯は後日します)
余命を告知され、余命が近づいた最末期は緩和ケア(昔でいうホスピス、いわゆる終末医療)に入りました。
今回はこのあたりの話は省きます。
で、ある日、普通に電話が鳴るんですよ、病院から。
ぼく「はい、もろこしです」
看護師さん「今朝、血液検査したんですが(略)」
ぼく「ありがとうございます。何かありましたらまたご連絡ください」
看護師さん「今が何かです」
ななななんですってー!
親族に電話しなきゃ! ピポパ!
ピポパなんて音しないですけど、そういう感じです。
ちなみに、その時の僕の顔はMMRのキバヤシばりだったと思います。
やっぱりノストラダムスは人類の滅亡を予知していたんだ! 的な。
ところで今、ノストラダムスの扱いはどうなっていますか。
どうでもいいですね。すみません。僕もこの記事を書くまでノストラダムスのことなんて忘れてました。
2.緩和ケアに入ったらしておくこと
さておき、親族集結、いろいろ会話して担当医師からお話をうけ、そこから泊まりになるんですよね。
今夜が峠だと告げられるんですが、「峠を下ったら助かりますか?」なんてことは全く聞ける雰囲気ではないです。
いやほんとに。すごく深刻な空気ですし。
泊まりの話に戻りますが、そのままステイ(レストではなく)します。
困ることが多々出てくるんですよね。
・着替え
・ごはん代
・歯ブラシなど
これがまず困ります。
独身者で一人暮らし、病院から遠いなどの諸条件が重なるとかなり厳しいです。
親族に鍵を渡して取りに行ってもらうとか、ぶっちゃけパンチの効いた処刑方法です。
ファストファッションのお店で買うしかないです。
結果、寝間着の人の完成です。
ではなくてですね、唐突に親の臨終に立ち会うことになるシチュエーションを誰もが想像していないんです。
だから準備もしていません。
ここらへんは、お葬式選びにも同じことが言えるんですよね。
話は戻りますが、僕の場合はファストファッションとク●ックスにしました。
都合よく手持ちのお金もありましたし。
3.予兆はこれだ!
緩和ケアに入院してから、あっという間の話でしたが、今考えても「これはやばかったんだな」という予兆はありました。
病人が死期を感じて……的なものはもちろんありました。急に僕に会いたがったり、夜中に電話してきて「苦しい」「痛い」という弱音を言ってきたり。
でも、このあたりって人による部分もありますし、なんとも言えないと思います。
余命を受け止めるということは、人にとって難しい問題ではあります。
ですので、そこはおいておいて、具体的な体の症状での予兆を書きます。
・やたら眠る(他界する10日前)
一番はこれです。
体が辛くなると、体力を温存するためなのか、非常に眠くなるようです。
僕の親の場合は、薬ではない手段で局所的な痛みを解決できたので、そこからやたらと眠るようになりました。
しんどかったんでしょうね。
ただ、それだとまだ大丈夫(という言い方はともかく)なんです。
予兆だったんだな……と思ったのは、携帯電話を鳴らしても眠りから覚めなかったときです。
おかしいな~とは思いましたが、「今まで眠れなかったから、ゆっくり眠ってるんだろうな」と思って流してました。
アカン。
・ろれつが回らなくなる(他界する5日前、意識を失う3日前)
これは強い違和感を覚えました。
「明日休みだから、お見舞い行くね」という電話をしたときに、明らかにろれつが回っていませんでした。
この時は、頻繁に見舞いに来てくれていた親戚に「おかしいと思う」ということを伝えました。
誰も気にしていませんでしたが、この時点で死んでからのフローを真剣に考えるようになりました。
コミュニケーションがとれたのはここまででした。
ちなみに、ろれつが回らない状況になると手すら動かせません。
・味覚が正常ではなくなる(他界する4日前、意識を失う1日前)
頼まれてプリンを買っていったんですが、「こんないいプリンじゃなくていい。濃厚じゃなくて普通の!」と言われるんですよね。
残ったのを食べていたんですが、味は普通でした。
他界する20日ぐらい前から、「この病院食味がうすい」とも言っていましたが、食べてみると普通に美味しいんですよね。
「変なこと言ってるな」って思いました。
これらの状態になったら、できることは全て行い、準備をしたほうがいいと思います。
あー! やっておけばよかった! ということが多々出てきますが、このあたりのことは別の日に!
4.「あ、あとを頼む……」「い、今までありがとう……」→ガクッではなかった
ここからが今日の本題ですが、よくドラマである笑顔で逝く的なものではなかったです。
言えることは「お医者さんの峠発言はガチ」ということです。
ちょっとここで緩和ケアに関して説明をしておきます。
いわゆる終末医療なんですが……
・延命治療を行わない
・胃ろうや気管支切開をしない
・心電図もつけない
・蘇生処置(心臓マッサージなど)を行わない
・治療行為ではなくあくまで痛みなどの緩和
・カウンセラーがいたりする
・看護師さんの数が多い
上記のような形の施設になります。
お誕生日会が毎月行われていたりしますし、楽しい雰囲気、患者のストレスをなくすことをメインに考えています。
実際、僕の親も「看護師さんが優しい」「すごくいい」「もっと早く来ればよかった」と言っていました。
なぜこの説明をしたかと言いますと、最後を看取る上で重要なのが呼吸なんですよね。
延命処置をしませんので、気管支切開を行いません。あくまで自発呼吸になります。
まず、意識レベルが下がると眼球上転が見られます。
そして、本題の呼吸ですが、非常に弱くなります。
まず、腹式呼吸で呼吸をしている状態ですよね。すーすー寝息をたてて寝ている状態です。
次に、その腹式呼吸ができなくなりますので、胸で息をするようになります。
ぱっと見ただけでも胸が大きく動いているのがわかります。
最後は顎で呼吸します。
胸で呼吸している状態から、ときおり呼吸が止まります。
僕はすぐに「呼吸忘れてるよ! してね!」という声掛けをしていました。
そのあと、呼吸は止まって、死亡の確認という流れになります。
結果的には顎で息をするようになると間際だと思います。
5.看取るということ
僕は2泊3日で親の臨終を看取ることができました。
1泊目で呼吸を胸で行うようになり、2泊目は顎での呼吸になりました。
わりと「こっから持ち直すんじゃないか」なんてことを思ったりします。
葬式屋に問い合わせたりしていても。
親が死ぬってリアリティないですからね。
でもですね、看取るとですね、すごいリアリティあるんです。
今回、この記事を書いたのは、仕事が忙しくて看取れないという人を少しでも減らしたいからなんですよね。
親を看取れないと会社恨んじゃいますよ、本当に。
あくまで僕の親の場合は……ですので「違うじゃないか!」というのはナシでお願いしますが、少しでもお役に立てればと思います。
個人的には「い、今まで、ありがとう……」(ガクッ)みたいなのかな~って思っていたんですが、普通に「呼吸止まってるぞ!」みたいな感じでした。
で、長男のみんなに言いたいことは、ここからが本番だ! ということです。
いやいや本当です。葬式とか相続とか知らない親族への対応とか。
緩和ケアや葬式、お金のこと……そのあたりのことも別の日に書きますね。
呼吸は看取りのバロメータになりますよ。弱くなったら会社を休むんだ!
アディオスアミーゴ!(てきとう)